デュッセルドルフと聞けばサッカークラブを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
日本人選手がこれまで何人も移籍してましたからね。
今回は全くサッカー目的ではなく、やはり建築学生としてツォルフェアアイン炭坑業遺産は外せない…!
目次
デュッセルドルフ
おなじみユーレイルパスの力を使って、Zollverein駅へ到着。
駅はいたって地味で、大規模な観光地として賑わっている感じではありませんでした。
無人駅のため、線路にも普通に出れてしまうので、だいぶ田舎に来たんだなと実感。
…と思ってしまうような写真を載せちゃいましたが、実は Zollverein駅ではなく、まったく無知の駅です…
そう、3人とも寝過ごしました(笑)
日本でいう各停だけ止まるような駅で中途半端に下車してしまい、1時間近く散歩したり写真撮ったりしてました。
これも旅の醍醐味です。
気を取り直して少し歩くと、『The工場跡地』感のある施設たちが目に入ってきます。
駅からずっと感じていましたが、全然人がいない…
平日の午前中だからか、そもそも現地では人気がないのか、まあどちらにせよスムーズに見れるのでラッキーなのですが。
ツォルフェアアイン炭坑業遺産群
いよいよ炭鉱群の中へ!
外観こそ古びた工場跡地ですが、入口から入るとすぐに近代性を感じさせるオレンジのエスカレーターが登場しました。
平面的な工場ではなく、複数階層が複雑に入り組む構造になっており、飲食店や博物館、ショップなんかも入る施設構成でした。
炭鉱群跡地を保全しただけの施設だと思っていたら、中にはなんと標本展示が!!!
動物や昆虫、化石なども展示されており、コンバージョンの楽しさと幅広さを感じました。
『工場×標本展示』
まあ何というか、可能性は無限大というか、なんでもありなんだなと感じましたね(笑)
暗い炭鉱のイメージとは対照的に、白熱電球を感じるような橙の色の照明が効果的に作用し、汚い工場のイメージを払拭している感じに感動しました。
いわゆるブラウンフィールドに分類されるであろうこの跡地は、施設内だけでなく屋外も再生されており、緑豊かな本来の環境が戻り、グリーンフィールドになりつつありました。
ランゲン美術館(安藤忠雄)
安藤忠雄建築があると聞きつけ、日本人としていかない選択肢はない…!
ということで、次に向かうはランゲン美術館。
タクシーには乗りたくなかったので、ユーレイルを乗り継ぎ最寄り駅まで移動しました。
田舎道を愉快に話しながら歩いているうちに、“いかにも”な安藤忠雄の建築が現れました。
コンクリートとガラスを基調としたシンプルなフレームに、施設を取り囲むように計画された均一な水盤。
夕方でしたがなんとか入館時間に間に合い、見学できました。
外観的にはボリュームを抑えた平屋の建築に見えますが、地下にも平面的に展開される展示空間には、彫刻を中心とした作品が空間を贅沢に使って展示されていました。
郊外にある美術館なので、水面に映える豊かな風景を感じることができるのもまた一興でした。
メディエンハーフェン(ゲーリー建築)
デュッセルドルフの都市にはライン川が貫通しており、炭鉱跡地や有名観光地以外にも、リバーサイドに美しい街並みが形成されています。
今回は時間の都合で夜しか見るタイミングがなく、日没後にライン川へと向かいました。
メディエンハーフェン(MedienHafen)と呼ばれるこのエリアは、かつての港湾用地であり、メディア地区として再開発されました。
特に、川沿いに立つねじれたようなデザインの建物は建築学生的に見どころです!
建築家=フランク・ゲーリーによる作品群で、ポストモダニズム様式の3つのビルは、石膏、金属パネル、レンガとそれぞれが異なる素材で作られており、単なるオブジェではなく、広告会社やメディア エージェンシー、ファッション デザイナーのオフィスなどが入居しています。
人気のない時間でしたが、夜の川沿いからの光を浴びたこれらのビルもまた魅力的で、外観だけでも拝めてよかった…と思いました。
つづく。