ラスベガスを後に、向かうは西海岸の大都市『ロサンゼルス』。
主要都市間は格安バスのよる移動が可能なので、出国前に事前予約していました。
ロスでは行きたい場所が多すぎて、所々同行人とは別行動もしつつ、好みのところを巡りました。
目次
ウォルト・ディズニー・コンサートホール
おそらくロスの近代建築で一番有名な建築ではないでしょうか!
建築学生でなくとも、この奇抜で衝撃的なフォルムには間違いなく目を奪われます。
『ウォルト・ディズニー・コンサートホール』は、ウォルト・ディズニーの妻であるリリアン・ディズニーが、ロサンゼルスの人々の文化や芸術の向上に資することを目的に建設したワインヤード型のコンサートホールです。
フランク・O・ゲーリーによる設計で、波打つ巨大なスチールパネルによって構成され、その全貌は戦艦のようにも花弁のようにも見えます。
日差しの強いロスでは、その太陽光を強く反射し、より煌びやかに見えました。
同じくゲーリーによる設計のビルバオのグッケンハイム美術館の外観を彷彿とさせます。
主な用途はコンサートホールなのですが、外観だけでは何の建物なのか分からないですよね。
中に入ると、その空間を構成する壁や床や天井には全く整形な面はなく、外観の曲線的・曲面的なイメージがそのまま内側にも反映されています。
ちなみに、スーツケースをもって入場したのですが、受付にて預かって頂けました。
上階に上ってみると、随所に屋外テラスに出られる部分があります。
屋外には屋外で、自由曲面のファニチャーや彫刻などがあり、ゲーリーの世界観を感じます。
天気が良すぎて熱いくらいでしたので、あまり屋外には長居せず、すぐ屋内に対比しました(笑)
ロスの大衆お食事処
「ロスはおしゃれな街」「美しい現代都市」とのイメージばかり抱いており、安く食事ができる場所も限られているのだろう…
と憂慮しておりましたが、なんと現地庶民や観光客が集うフードマーケットがあると聞きつけ、早速向かいました。
『グランドセントラルマーケット』では、大きな一つの屋根の下、いくつもの 店が同居している複合マーケットでした。
中には、バル、イタリアン、中華などのカウンター形式の小型飲食店から、量り売りのなされる市場やビアホールまで、食に関するあらゆる店舗が揃っており、どれも良心的な価格で楽しむことができそうでした。
そんな中で、やはり日本での食事が恋しくなってきている時だったので、中華料理店に入り、鶏肉麺を注文しました。
薄味の優しい味で非常に美味しかったですが、ロサンゼルス感はありませんよね(笑)
ハリウッド映画の聖地
グランドセントラルマーケットの向かい側、一際立派ですがそこまで目立たないレンガ造の建物があります。
実はこの建物『ブラッドベリー・ビル』は、数多くのハリウッド映画の舞台にもなった、ハリウッド映画の聖地なんだそう。
具体的には、『ブレードランナー』(1982)や『ペイフォワード 可能の大国』(2000)、『(500日)のサマー』(2009)などの映画のロケ地となっています。
一般の事務所ビルですので、1階部分はだれでも入れるようになっており、写真に収めました。
確かに、赤レンガの壁に対して黒の鉄製階段がコントラストを生み出し、荘厳な感じがありつつも美しい、そんな感じの空間でした。
中の吹き抜けには、ガラス屋根から光が差し込み、内部共用部の割には明るく感じられます。
映画好きな方は、さらに余韻を感じられるのではないでしょうか。
夜空の天文台
映画『ラ・ラ・ランド』にて、セブとミアがデートをして無重力のようなダンスをしたシーンや、夜のベンチで話しているシーンが印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
舞台はロスの丘の上にある『グリフィス天文台』で、映画の聖地として有名です。
そんなグリフィス天文台を目指し、バスで丘の上を目指します。
著名な施設なだけあり、天文台の前までバスが運行してくれているので、アクセスはかなり良いです。
外観を見た途端、「あ、ラ・ラ・ランドで見た!」という思わずにはいられませんでした。
初めて訪れたはずなのに既視感を感じてしまうのは、やはり映画の力でしょうか。
中に入ると、最大の目的であるプラネタリウムの順番待ちのが必要だったので、その間他の展示を見ることに。
天文学に関わる様々な展示が天井も含め散りばめられており、ある種の博物館のようで、空の、宇宙の、天文学の美しさを感じました。
並んでようやくプラネタリウムに入場できました。
本施設のメインイベントのため、座席は満席御礼。
ソファに座りながら、天井の映像が始まるのを待ちます。
この写真は、その待ち時間に撮ったもので、空間全体が青みがかり、独特の世界観を感じます。
そしていよいよ上演へ。
上演中の写真は撮れませんでしたが、美しい星々の動きや星座を、映像も交えて鑑賞することができました。
期間によって異なる内容だそうなので、どんなものが見られるか事前に調べておいてもよいかもしれません。
上演が終わり体感するころには、既に空は真っ暗。
しかしその分、明るい天文台は夜に光を放ち、美しい建物となっていました。
ただ、西海岸特有の霧のせいで鮮明には見えませんでしたので、館内に展示されていた天気の良い日の写真を載せておきます(笑)
丘の上の要塞
ロサンゼルスのど真ん中、街区を跨いで連続する巨大な公園があります。
『グランド・パーク』と呼ばれるその公園は、芝生で覆われた緑のフィールドをベースに、噴水やカフェなどもあり、ひと際賑わいを感じることのできる場所です。
家族連れで遊ぶ人や芝生に寝転がる若者、階段でスケートボードを楽しむ子供や、ベンチで読書を楽しむ老人など、多様な人で溢れる都市公園です。
私はその公園内のほスタバでラテを買い、のほほんと1時間ほど読書をして雰囲気を堪能しました。
建物で密集した美しい近代都市であるロサンゼルスの中で、1つでもこういった巨大な緑の空間があると、全体のバランスが取れているような気がして感動しました。
天使のマリア大聖堂
グランド・パークの街区のすぐ近く、しれっと大変に重要な建築があります。
『天使のマリア大聖堂』と呼ばれるその大聖堂は、教会としては世界で3番目に大きな建築物で、カトリック教会としてはアメリカで最も大きいそうです。
設計は、プリツカー賞受賞でも知られているホセ・ラファエル・モネオ。
意識して見てみると、巨大な建築を中心に屋外空間も充実しており、一つの巨大な石造都市のようにも見えます。
そして中に入るとさらにびっくり。
大聖堂というだけあり、礼拝のための美しい空間が巨大な気積で展開され、石造りの建物構造と木製の椅子、天井から吊られた電飾のコントラストが絶妙で、神聖な空間を保持しています。
たまたま人がほとんどいないタイミングだったので、大聖堂全体を自由に闊歩し、いろんな席に座りました。
信者ではありませんが、やはり信者のための建築を体感するためには、信者のように歩いたり席について上を見上げてみたり、いろんな行動をしてみると、建築の見え方が少し変わったりします。ぜひに。
洞窟のような美術館
ウォルト・ディズニー・コンサートホールのすぐ隣、2015年に完成したコンテンポラリーアートの聖地、『ザ・ブロード』を訪れました。
外観は凹凸や開口はありつつもシンプルな白のボックス型をしており、中の空間が気になってしまいます。
そしてその期待を嘲笑うかのように、なんと1階部分は洞窟上の自由曲面で暗がりのある洞窟のような空間をしていました!
1階部分はエントランスやショップが中心で、2階が展示空間になっています。
さらに期待を高めつつ、チケットを購入して展示室へ向かいます。
スケールアウトな現代アート
洞窟を進むようにエスカレーターで昇ると、そこは一転してシンプルな平面構成になっており、むしろ展示作品の方が奇抜で目立つような造りになっていました。
バルーンアートの犬を模した巨大な作品、人の身長よりも高い座面を持つ椅子とセットの机、鏡張りの空間に万華鏡のように電飾が展開される空間など、あっと驚くようなコンテンポラリーアートに目を奪われます。
しかもその作品数は非常に多く、展示空間も広すぎるので、すべてを見回るのに相当の時間を要します。
写真撮影も自由なので、スケールアウトした展示と自分とを比較できるような写真を撮っている人も大勢いました。
テーマが統一された作品が並ぶというよりは、テーマの異なるコンテンツが大量に展示されているイメージなので、好きな作品が必ず見つかると思います。
個人的に好みの展示が多く、一巡するのに3時間以上要してしまいました…
ロサンゼルス現代美術館
ザ・ブロードの向かい、こちらも建築学生ならば必見の美術館『ロサンゼルス現代美術館(MOCA)』があります。
とはいいつつも、筆者は時間の都合で外見と屋外展示しか見られませんでした。
必見の理由は充実した現代美術の展示ももちろんですが、日本人建築家である磯崎新の設計ということで、中身の空間構成も気にあります。
行かれた方は是非感想を教えてください。
屋外にあるスクラップで作られた恐竜。
実はこれ、航空機の廃材でできているそうで、エントランスの近くにありますが存在感を放っています。