コペンハーゲン中心市街地より鉄道で1時間弱、シュラン島北東部を目指します。
クロンボー城ルイジアナ美術館を目的地に据えつつ、海を挟んだ対岸のスウェーデンを眺めながら海沿いを探索しました。

目次

ヘルシングエーア

終着駅であるヘルシングエーア駅に到着しました。
車窓の風景を見る限り、かなり地方に来た感じはしていたのですが、鉄骨造の駅舎は割と新しく、外から見てもかなり大きかったです。

港も近いため、鉄道だけでなくフェリーも停泊していました。
クロンボー城までは少し距離があるため、海沿いに歩いて向かいました。

途中、「Han Statue」と呼ばれる彫刻アート作品のある場所を通過しましたが、今回はプラスチック廃棄ごみで作られた魚のアートが展示されていました。
遠くから見るとカラフルで綺麗な置物に見えたのですが、近づいてみると、鱗の一つ一つがプラスチックのジョウロや桶などで構成されており、海ゴミ問題を風刺しているかのような展示でした。
説明等は一切なく、ただ海側に設置されているため、通りゆく観光客たちが立ち止まっては写真を撮っていました。

ハムレットの舞台『クロンボー城』

かのシェイクスピアの悲劇『ハムレット』の舞台の一つともなった城、クロンボー城にやってきました。
その敷地の半分以上は海に面しており、外から非常に攻めにくそうな立地です。
駅から歩いていくと、明らかに「これだ!」と分かる城が見えてくるため、それを目指して歩みを進めます。

地図で見ると分かりやすいのですが、中心となる城は星形と言いますか、幾何学的な平面配置の城壁に囲まれており、城壁にはいくつも門があったのでそこをくぐりました。
城壁を貫通する通路はヴォールトで支えられており、荘厳なファサードをした城部分とのギャップが感じられて興味深かったです。

城の中央にはのようなオブジェのある広場が設けられており、式典や宴会が執り行われていたのかな、と想像が膨らみます。
実際のところ、夏季にはこの中庭では演劇が開催されるそうです!
ちなみに2000年には世界遺産にも登録されています。

城壁付近では、なんと地下牢も見学できます。
デンマーク王妃が幽閉されていた歴史もある場所でもあるので、そういった史実をインプットしてから訪れると、より深く感じられると思います。

ランプのある場所はまだ明るくて歩けるのですが、写真にも写らないような暗い場所もいくつかあり、一人で歩くには相当怖かったです…

城の中には、華美な装飾が残されている部屋も見学できました!
王族の食卓の場、舞踏会でも行われるような絵画の飾られたダンスホールもある一方で、内装を回収したギャラリーやグッズショップなどもありました。
外から見ると、純粋な煉瓦の組積造に見えるのですが、天井には木の軸組が見えましたし、石で組まれた螺旋階段なんかもありました!

海に面した城らしく、砲台もありました。
天気も良く、対岸にはスウェーデンの国土を臨むことができました。

波止場に埋没した『デンマーク海洋博物館』

クロンボー城から駅へ帰ろうとしたその時、海岸沿いに、深く掘られた穴のような空間があることに気づきました。
覗いてみると、古いコンクリートと綺麗なガラス面に囲まれた、コンバージョン施設のような建築眠っていました。
スロープで下に下りられるようになったおり、入口には「デンマーク海洋博物館」の文字が!

なんとこの施設、BIGの設計で、古い波止場のコンクリートの壁に空間を挿入して作られた博物館なんです!
BIG建築大好物の同行者も大興奮でした。

「えっ!!!BIGの建築!h?!?!?!?」
『よかったやん!BIG建築大好きやもんね』
“まさかこんなコペンハーゲンの外れにあるとは…”

デンマークの海洋に関する企画展示があり、既存のコンクリート空間を活かした暗がりと、波止場から入る光のバランスが活かされていて、一種の心地よさのようなものを感じました。

企画展は「SEX AND THE SEA」が開催されており、海洋生物や人魚に関する標本や映像展示がありました。
正直なところ内容は全然入ってこなかったですが、ブルーライトの照明に照らされた水槽や空間は、歩いていて楽しかったです!

波止場の真ん中が抜けており、それを囲むような回廊式の施設なので、至るとことから日の光が差し込み、明るい空間が見受けられました。
丁度天気も良く、空の青さがガラスに映りこんでいて、いい写真がたくさん撮れました!

中にはレストランもあり、中庭部分で食事することもできるようになっていたのですが、広い場所を贅沢に使った家具の配置で、バカンスに来たかのような食事空間でした。
ちなみに、価格設定が高かったため、我々はそこでは食べませんでした(笑)

施設内中央にはステージ状に並んだ椅子付きのオープンスペースがあり、訪問時は使われていませんでしたが、ステージや発表など、多目的に使える空間もありました!

ヘルシングエーアを後に、コペンハーゲン最後の目的地、ルイジアナ美術館へ!

つづく

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