ジャイプル漫遊最終日、ドライバーさんのオススメでもあるというアンベール城Amber Fortへと向かいます。
なんでもジャイプルの一大観光地で、海外旅行者も最も多く訪れる場所なんだとか。
期待を膨らませ、その日もホテルで朝食のカレーを食べ、出発の準備をしました。

目次

丘の上の要塞

ジャイプル中心部から北東へ車で約40分、砂漠地帯を抜け、起伏が激しい丘のようなエリアにやってきました。
車で坂を登って行く途中、住宅地の街並みが垣間見えました。
石造りの家々は風化しかけており、壁だけ残っているものも多くあります。
道路も綺麗には整備されておらず、幅員も狭く、市内のような賑やかさは感じられませんでした。
ただ、観光客を運ぶバスやタクシーは多く行き交っており、狭い道なりで渋滞が起きていました(笑)

目的地周辺の駐車場には、大量の車と、休憩中のその運転手たちで溢れています。
観光客がアンベール城を観光している間、運転手たちは、洗車したり、仲間内で雑談したり、食事を済ませたり、思い思いの時間の過ごし方を楽しんでいました。
「有名観光地の裏側」という感じがして興味深いです。

アンベール城からの眺め

小高い丘の頂上に、アンベール城は建立しています。
ついに到着し、案の定運転手は待っているからということで一人で城の中へ。
高地にある城なので、周囲に広がる都市の風景や自然を一望でき、中に入る前段階で既に建築学生の目の保養になっておりました(笑)
インドゾウに乗って城の頂上まで観光するツアーもあるようで、インドゾウが坂を登っている風景はインドらしくて圧巻でした!

ちなみにアンベール城は、『ラジャスタンの丘陵城砦群』して2013年に世界文化遺産に登録されています。

ヒンドゥー教とイスラム教

ようやく城の中に潜入!
アジア系からヨーロッパ系まで、世界各国の観光客が闊歩していました。

8世紀頃からヒンドゥー教を信仰するラージプート族が住み、ペルシャやトルコ等の文化を取り入れた独自の文化を築いてきたそうです。
また、多様な民族がの交通の結節点としての要衝としての機能もあり、丘陵地帯に強固な城砦を築き、異民族の侵入に備えていたそうです。
城自体のデザインは、イスラム教の影響も多大に受けているようで、単教の建築ではないように見えます。

柱が落とされた独自の開放的な『』は、独特な門型のヴォールトの連続から構成されており、どこまでも半永続的に均等に続いていく様な空間からは、王宮としての雅さが感じられました。

優雅な王室の中庭

16世紀頃に築城したアンベール城は、周辺に都市機能も備え、ジャイプルに遷都するまでの150年間に渡って増改築を重ね、都として発展していったのだとか。
そのためか、城の建物と建物の間にはいくつも中庭のような空間が散見され、緑が目に入ります。
今回目にした中庭には水盤もあり、幾何学的な模様のように緑化が施された優美さがあり、王宮の繁栄を感じました。
城の白と中庭の緑が相まり、非常に美しかったです。

アンベール城の建築ディテール

堅固な城壁に囲まれた強固な外観に比べ、内側はイスラム様式の影響を強く受けたラジャスタン特有の優美なスタイルが施されています。
壁面には精緻な幾何学模様のモザイクが施され、ガネーシャ神が描かれたガネーシャ門なんかも見られた優雅な空間を構成し、マハラージャは、その1枚1枚に映る外の景色を見ていたんだとか。

壁一枚とっても、精巧に木々昆虫が彫られているため、細部もぜひ見てほしいポイントです!
見どころも多く、朝から半日ほどアンベール城観光を楽しむことができました。

摩訶不思議な階段井戸

アンベール城からさらにジャイプルから離れた郊外に、その摩訶不思議な建築物があります!
チャンド・バオリの階段井戸』と呼ばれるその井戸は、中央部が逆ピラミッドのように彫られており、側にはなんと3,500段にも及ぶ階段がある巨大井戸です。
階段の上り下りはできませんが、井戸の周囲をぐるっと一周することができ、様々な角度からフォトジェニックな井戸を見ることができます!

こんなにも巨大な井戸が、都市部から離れた郊外にあるのは、水を運んでこれないインドの郊外農村では、これくらい深く掘らないと井戸水を確保できないからだそうで…

単なる掘り下げた井戸とその側面の階段であるはずなのに、巨大な建築のような圧倒的な魅力があります。
車でしか行けない郊外の井戸ですが、人も少なく魅力的な井戸なので、是非訪れることをお勧めします!

ヒンドゥー教寺院

チャンド・バオリの階段井戸のすぐ隣の敷地には、ヒンドゥー教寺院がありました。
特段有名な観光地という訳ではないのですが、目に付いたのでせっかくなので…
古くからある規模の大きい建築物のほとんどは石造りなので、知らない建物でも魅力的に感じます。
有名観光建築以外にも、インドの歴史を匂わせるようなものが点在しているので、寄り道もインド観光の楽しみの一つです!

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