ポーランドの首都ワルシャワにある国際空港の名前は、『ワルシャワ・ショパン国際空港』であり、天才ピアニストであるショパンの名前を冠することからも分かるように、ワルシャワはショパンに所縁のある都市です。
ショパン、引いては音楽の街であるワルシャワの漫遊記です!
目次
いざ、音楽の都へ
クラクフから鉄道で移動すること3時間弱、ワルシャワ中心部にやってきました。
時間も限られていたので、我々3人は宿泊場所に荷物だけすぐに預け、早速市街散策へ!
まずやってきたのは、『フレデリック・ショパン博物館』。
こちらは、ポーランドでショパンを巡るには欠かせない施設で、ショパンの直筆原稿や写真・彫刻・ピアノなどのショパンにまつわるコレクションが展示されています。
博物館建物とは別棟の売り場で入場券を買うのですが、入場券は音符をデザインされたIDカード式でした。
ショパンにはそれほど詳しくはないですが、世界的にも名の知れた音楽家の博物館とだけあり、期待を膨らませながら中に入ります。
フレデリック・ショパン博物館
バロック様式の宮殿の博物館の中は想像以上に広く、数えきれないほどのショパンにまつわる展示がありました。ショパンの名曲を聴くことのできるブースもあれば、彼の生い立ちの年表、作曲に使われた道具、ピアノ、直筆の原稿や彫刻なども見学できました。
基本的には暗がりの空間を照明で変化させた内部イメージになっており、歩いているだけでも楽しい博物館となっていました。
しかも展示量が尋常ではなく、少なくとも半日は要する展示内容ですのでご注意を。
さらに特筆すべきは、博物館展示を内包するその建築自体です。
宮殿としての優美な造りはもちろんですが、赤レンガで構成された地下空間をそのまま残しつつも、ガラスや鉄骨でプロムナードが構成されており、新旧一体となったコンバージョン建築の様相が感じられます。
気積のある赤レンガの空間を複数層に分けて展示空間があり、写真の通り空間を見上げたり見渡したりできました。
さらに、建築学生には堪らない白模型まで!
ショパン音楽に触れることもできましたし、建築的な素養も養えたような気がして、一石二鳥でした。
音楽を奏でる街
フレデリック・ショパン博物館の見学も時間を要し、すっかり夜遅くなってしまったのでレストランを探して街中へ。
すると、夜にも関わらずどこからか音楽が聞こえてきます。
先程までさんざんショパンの音楽に触れていた私にはわかりました。
“これは間違いなくショパンの音楽だ!”
近づいていくと観光客が黒いベンチに座ったり何か触ったりしており、曲が流れています。
代わってもらうと、石造りのベンチには文字や地図が彫られており、ボタンらしきものがあります。
押すと、なんと街中に音楽が流れ出します!
「さすが音楽の街」というほかありません…
夜のワルシャワの街にショパンの音楽が流れる幻想的な雰囲気になりますが、昼だったらきっと楽しげな雰囲気になっていたんだろうな、と想像が膨らみます。
蚤の市
ワルシャワでの探索先を探している時から、ずっと行きたい場所がありました。
休日にだけ開催されるという「蚤の市」です。
蚤の市といえば、日本でも開催されているのご存じの方も多いかと思いますが、いわば古物市で、フリーマーケットに近いものです。
きっと現地の生活感も味わえるだろうし、なにより安いものなら買えるのではないかと期待していました!
ワルシャワ中心部からトラムで移動すると、案外すぐに着きました。
蚤の市エリアの外から見ても、人が多く集まっているため会場の位置が一目瞭然で、すぐに見つかりました。
小屋のような建物がいくつも密集した集落のようになっており、品物は建物内だけでなくその間の通路でも所狭しと並べられています。
年季の入ったアンティークがメインで、その他革製品や絨毯、絵画なども売られており、それもかなり安く買える状態でした。
かなり多くの品物と人がいて賑わっており、人混みをかき分けて進まないといけなかったです。
ちなみに、筆者は何を買うか迷いましたが、結局小さいマトリョーシカを買いました(笑)
ショパンの通ったレストラン
蚤の市での買い物後、中心地に戻って食事をとることに。
ショパンが実際に通っていたレストランがあると調べていたので、そのレストランに向かいます。
『ホノラトカ(Restauracja Honoratka)』と呼ばれるそのレストランは、地上の入口から入ることのできる地下のレストランで、中に入ると赤レンガで造られたアーチ状の空間に、均等にテーブルが並べられていました。時間によっては民族衣装のダンスや歌のショーもあるのだとか。
筆者が頼んだのはチキンチーズステーキと赤ワイン。
皆思い思いの食事を楽しみながら、赤ワインで至福のひと時を堪能する、ワルシャワで数少ないリッチな時を過ごしました。
たまには贅沢したいですよね!
雨の似合う路地
移動中、突如雨が降り出していて意気消沈していたのですが、街中をじっくり観察してみると石畳が雨に濡れて光を反射しており、どこか不思議な東欧的雰囲気があります。
天気に関わらず都市を楽しめるのも、ポーランドの魅力ですね!
ポーランド最高裁判所
ふと通りかかって外観を見ただけですが、ポーランド最高裁判所(Supreme Court of Poland)の外観が魅力的でした!
建物の手前にはブロンズ色のような水色のような色の柱が並んでおり、外からも目立ちます。
古代文字のような字型や刻印があり、つい惹きつけられてしまったので写真を共有させてください。
巨大なショパン像
『ワジェンキ公園(Łazienki Park)』と呼ばれる、役76万㎡にもなる広大な公園があります。
公園内には劇場や大学の植物園がありますが、この公園一番のシンボルといえば『ショパン像』です。
対比物がないので分かりにくいですが、かなり大きなショパンのブロンズ像です。
5月~9月の日曜日にはこの場所でコンサートが開催されているようなので、この時期に訪れる方は是非!
公園内も広すぎて全ては見切れませんでしたが、緑豊かな森の中を散策するような体験ができたので本当にお勧めです。
犬の散歩をしている人、ピクニックをしている家族、ベンチで読書をしている老人、様々な人の生活の拠り所になっているような、そんな素敵な公園でした。
音楽の街ワルシャワ。
ショパンの世界観に触れてみたい方ももちろんですが、優雅にワインを楽しみたい方にもお勧めの都市です。