投稿時、ロシアのウクライナ侵攻が始まっており、ウクライナという国自体が存続の危機に瀕していると感じ、急いで記事に書き起こしました。
私自身が再度訪れたいと思っていた国の一つなので、非常に心を痛めています。
人間、建築、食べ物など、非常によい国だったので、併合されたら、同じ場所には行けたとしても、同じ国にはもう行けなくなるのか…と思うと、やはり記事にして写真を残しておこうと強く思いました。
目次
キエフの街並み
カームヤネツィ=ポジーリシクィイから夜行バスで移動の後、辿り着いたウクライナの首都キエフ。
慣れない国ので夜行便移動のため少し疲労が残っていたため、初日は宿泊地までの街並みを散策だけして、宿でまったりすることに。
市場やスーパーなど、生活感の溢れる場所を見てみたかったので、寄り道多めで散策しました。
屋内市場では、豆類やフルーツなどが量り売りされており、平日昼に現地の方で賑わっていました。
安さ買い出しのために普通のスーパーも入りました。
まず驚かされたのが、その驚愕の安さ!
当時のレートでは1フリブニャ=約4円だったので、パンは20円前後、ビールの小瓶も30円~で揃っていたので、思わず爆買い。
宿でのビール生活が始まりました…
その他、道端に個人の画家さんが描いた絵が売らているなど、生活感が随所に感じられて街並みのすべてが魅力的に映りました。
これは同行者含め3人が2日で飲んだビール瓶を並べて撮ったものです。
当時大学院2年だった我らは、修士論文の執筆をしながらひたすら飲んでいました。
ウクライナに来てまで何をしていたのでしょうか…
国立チェルノブイリ博物館
少し暗い気持ちになる施設ですが、ウクライナ国立チェルノブイリ博物館を訪れました。
博物館自体はチェルノブイリではなくキエフの市内にあるもので、言わずと知れたチェルノブイリ原発事故に纏わる展示の数々を目にすることができます。
ウクライナ語の表記が読めないので音声ガイドを借りようとしましたが、なんと日本語ガイドがありました。
日本はチェルノブイリ原発事故の際に様々な形で支援をしている背景があり、また東日本大震災の福島原発事故の際にはウクライナにも支援があったそうで。
日本とウクライナは、私の知らないところで強い絆で結ばれていたことを思い知らされます。
中の展示は原子炉内を模した内装イメージになっており、少し緊張感がありつつも充実した展示内容になっていました。
事故被害者の家族のメッセージ、事故が起きた瞬間から現在に至るまでの詳細な原子炉の説明、後遺症に苦しむ人々の記録、当時の衣服など、展示内容が盛りだくさんなので、しっかり見学するのであれば2時間以上は見学時間を確保しておいた方がよいかもしれません。
ウクライナが起こした事故を記憶し、罪を隠さず、構成に伝えていこうという意思が感じられました。
入場料は約200円で、気軽に訪れられます。
そのかいあってか、なんと現地では、若者たちが楽しむデートスポットとして使われているんだとか。
聖アンドリーイ教会
キエフ中心部に向かって歩いていると、小高い丘の上に立つ、ターコイズ色の目を引く城が見えてきました。
『聖アンドリーイ教会』と呼ばれるこの教会は、ウクライナにキリスト教を伝えたとされる使徒アンドリーイの名前に由来するのだとか。
丘もかなり高く、教会自体も大きいので、遠くからもかなり目立ちます。
中は見学しませんでしたが、外観だけでもウクライナの建築感・宗教観を感じることができました。
聖ムィハイール黄金ドーム修道院
続いてご紹介するのは、黄金の修道院です。
聖ムィハイール黄金ドーム修道院は、各塔の頭頂部が黄金に輝く外観をしており、壁面も水色なので、非常に目立つ建物です。
ウクライナの宗教建築はなぜこんなにも水色系の目立つ建物なのでしょうか。
中に入るとさらに驚きます。
黄金の装飾がいたるところに施され、暗い内部空間ではランプの光で輝いて見えます。
壁には数々の宗教画があり、外観よりも凝った見た目をしていました。
修道院というだけあり、敷地内には本体建築以外にもいくつもの小屋や建物、庭などもありますので、ゆったりとした時を過ごすことができます。
聖ソフィア大聖堂
続いては聖ソフィア大聖堂。
ここまでくると見慣れた宗教建築になってきてしまいますが、十分に魅力的な外観をしています。
建物以外のところに触れると、夕方になるにつれ、空気が乾燥しているためか空の色が写真の通り青く見えます。
もちろん無加工の写真です!
日本の夕方のイメージとは異なるので、空と建物とのコントラストも都市の魅力の一つです。
黄金の門
夜になってしまいましたが、建築探索は続きます。
ムソルグスキー作曲の『キエフの大門』はご存じの方も多いかと思いますが、その大きな門です!
黄金の門と呼ばれてはいますが、木材の組積で構成されており、特段、黄金がふんだんに使われている様子はありません。
たまたま夜に訪れたのですが、ライトアップのおかげで茶色の大門が黄金に見え、楽曲通りのイメージを頭に刻み込むことができたのはよかったです!
永遠の栄光公園
翌朝、ペチェールシク大修道院を目的地に、鉄道を乗り継いで向かいます。
黒海へとつながるドニエプル川沿いも歩きたいとのことで、川沿いに歩いていると、突如公園の中にある高い塔が目に付きました。
『永遠の栄光公園』と呼ばれる壮大な名称の公園にある巨大な記念碑は、調べてみると、ナチスからのウクライナの解放を記念して建てられた記念碑だそうです。
ロシアの侵攻のニュースを見るたびに、こういった独立記念碑は単なる過去の遺物ではなく、これからの国の行く末にも関わるものなのだと感じます。
キエフ・ペチェールシク大修道院
本日の一番の目的地である、ペチェールシク大修道院へ到着しました。
広大な敷地の中にいくつもの巨大な宗教建築が建ち並んでいる観光地で、建物内部も見学することができます。
1000年近く前に建立された修道院は、様々な政権と対立してきた歴史を持ち、宗教、学問、教育に多大な影響を与えてきた拠点でもあります。
建物のどれもが壮大で、内部の装飾も凝っています。
建築学生の大好物である宗教建築ですが、個人的には、このペチェールシク大修道院はこれまで訪れた聖堂や修道院の中でもトップクラスの建物だと思っています!
ウクライナ、また行けるとよいのですが…